「社内にエンジニアがいないが、業務のシステム化を進めたい」「情報システム部はあるが、手が回らない」——システム開発の外注は、いまや企業規模を問わない標準的な選択肢です。一方で、外注には「何をどう頼めばいいかわからない」「費用の妥当性が判断できない」という発注側特有の難しさがあります。
この記事では、受託開発会社であるクライマーが、発注者の目線でシステム開発外注の進め方・費用・失敗しないポイントを解説します。
システム開発の外注とは?内製との比較
システム開発の外注(受託開発)とは、自社のシステムの企画・設計・開発を外部の開発会社に委託することです。内製と比較したときの特徴は次の通りです。
| 外注(受託開発) | 内製 | |
|---|---|---|
| 初期の人材確保 | 不要(すぐ始められる) | 採用・育成に時間とコスト |
| 費用 | 案件ごとの変動費 | 人件費として固定費化 |
| 技術の幅 | 開発会社の知見を利用できる | 社内スキルの範囲に限定 |
| ノウハウ蓄積 | 社外に残りやすい(対策可能) | 社内に蓄積 |
エンジニア採用の難易度が上がり続けている現在、「コア業務の理解は社内、開発の専門性は外部」という分業が現実的な解になっています。
システム開発を外注する流れ【7ステップ】
1. 課題と目的の整理(社内)
外注前の最重要ステップです。「何のシステムが欲しいか」ではなく「どの業務の、何の課題を解決したいか」を整理してください。手段(システムの形)は開発会社と一緒に考えられますが、目的は発注側にしか定義できません。
2. 開発会社の候補選定・相談
実績や得意領域から2〜3社に絞って相談します。この段階では要件が固まっていなくて構いません。むしろ「現状の課題を話したら、どんな提案が返ってくるか」が会社を見極める材料になります。
3. 要件定義
課題をヒアリングしながら、システムに持たせる機能を一覧化する工程です。開発費用と品質はここでほぼ決まります。要件定義を丁寧にやる会社ほど、完成後の「思っていたものと違う」が起きません。
4. 見積もり・契約
機能一覧をもとに工数と費用が提示されます。内訳が開示されているかを必ず確認してください(詳しくは後述)。契約形態は、要件が固まっていれば請負(総額固定)、仕様が変動しそうなら準委任(ラボ型)が一般的です。
5. 設計・開発
開発中は定例ミーティングで進捗を確認します。発注側の仕事は「質問への即答」です。開発会社からの確認事項を溜めないことが、納期を守る最大のコツです。
6. 受け入れテスト・検収
実際の業務を想定して発注側が操作確認する工程です。ここを形だけで済ませると、リリース後に問題が噴出します。現場の担当者を巻き込んでテストしてください。
7. リリース・運用保守
公開後の障害対応・機能追加を誰が担うかを、契約段階で決めておきます。開発と保守が同じ会社だと、責任の切り分けで揉めません。
システム開発の外注費用の考え方
費用は「人月単価 × 開発工数(人月)」で決まります。人月単価は開発会社の所在地やエンジニアのレベルで変わり、弊社の場合は95万〜120万円/人月です。規模感の目安として、小規模な改修で1〜2人月、予約管理・会員管理などの中規模システムで6〜8人月程度です。
なお、機能追加が続く案件や仕様が固まりきらない案件では、都度見積もりの外注ではなく専属チームを月額で確保するラボ型開発が適している場合があります。詳しくは「ラボ型開発とは?受託開発との違い・メリット・向いている案件」をご覧ください。
外注先選びで失敗しないチェックポイント
見積もりの内訳が開示されるか
「一式◯◯万円」の見積もりは、何にいくらかかっているか検証できず、追加開発時の費用も予測できません。機能ごとの工数と単価が開示される会社を選んでください。
要件定義から伴走してくれるか
「仕様書をください」から始まる会社は、発注側に開発の専門知識を要求しているのと同じです。課題の整理から一緒に考えてくれる会社なら、専門知識がなくても安心して進められます。
類似の開発実績があるか
作りたいシステムに近い実績があれば、業務理解が速く、過去の知見に基づく提案を受けられます。実績ページで「課題と解決」まで書かれているかを見てください。
再委託の有無
受託した会社がさらに外注する多重下請け構造では、費用に中間マージンが乗り、情報管理のリスクも増えます。自社内開発かどうかは率直に確認して問題ありません。
保守までワンストップか
システムは作って終わりではありません。公開後の保守・機能追加まで同じ会社が担えるかを確認してください。
よくある失敗と対策
丸投げして「思っていたものと違う」 — 外注は「任せる」ことですが「丸投げ」ではありません。目的の定義と、開発中の質問への即答だけは発注側の仕事です。
安さだけで選んで追加費用がかさむ — 極端に安い見積もりは、要件の解釈が浅いか、後から追加費用を積む前提かのどちらかであることが多いです。内訳の透明性とセットで判断してください。
担当者が異動して要件が迷子になる — 発注側の窓口は、業務を理解している人を専任に近い形で置いてください。要件定義の決定事項はドキュメントに残る形で進めてもらいましょう。
まとめ
システム開発の外注は、①目的を自社で定義し、②要件定義に伴走してくれる会社を、③見積もりの透明性で選ぶ——この3点を押さえれば大きくは失敗しません。
クライマーは福岡・東京を拠点に、要件定義から開発・AWSインフラ構築・保守までワンストップで対応する受託開発会社です。機能一覧と工数の内訳をすべて開示するお見積もりを無料でご提供していますので、要件が固まっていない段階でもお気軽にご相談ください。