AI開発の費用相場|内訳・見積もりの決まり方を開発会社が自社のレンジで解説

AI開発の費用相場|内訳・見積もりの決まり方を開発会社が自社のレンジで解説

AI開発を検討し始めて費用を調べると、「数十万円から数千万円」といった幅の広い説明ばかりが出てきます。幅がある理由が書かれていないため、自社の場合いくらになるのかが最後まで分かりません。

この記事では、AI開発の費用がどういう理屈で決まるのかを先に整理し、そのうえで当社が実際に提示している費用レンジを規模ごとに公開します。見積もりを受け取ったときに、その金額が妥当かどうかを自分で判断できる状態を目指します。

AI開発の費用は「人月単価 × 工数」で決まる

AI開発の費用は、特別な計算方法で決まるわけではありません。通常のシステム開発と同じく、人月単価 × 工数で算出します。

人月とは、担当者1人が1ヶ月作業する量のことです。当社の場合、システム開発における人月単価は95万〜120万円です。

金額に幅があるのは、値引きの余地があるという意味ではありません。担当する職種によって単価が違うからです。要件定義や進行管理を担うプロジェクトマネージャーと、実装を担うエンジニアでは単価が異なります。必要な体制しだいで、同じ工数でも総額は変わります。

逆に言えば、見積もりを見るときは総額だけでなく「どの職種が何ヶ月入るのか」を確認すれば、金額の根拠が読めます。ここが示されていない見積もりは、比較の土台に乗りません。

規模別の費用相場|当社が提示しているレンジ

実際に当社が提示している費用レンジは次のとおりです。

小規模:200〜500万円(1〜3ヶ月)

ひとつの業務にAIを組み込む規模です。社内向けの問い合わせ窓口をつくる、特定の作業を自動化する、といったケースが当てはまります。対象の業務がはっきりしていて、扱うデータの範囲も限られている場合はこの範囲に収まります。

中規模:500〜1,500万円(3〜6ヶ月)

既存の業務システムにAIを組み込む、複数の部門で使う、外部サービスと連携させる、といった規模です。AI単体ではなく周辺のシステム改修が伴うため、小規模との差はAIの部分よりも連携部分の量で開きます。

ラボ型:95〜120万円/人・月(継続)

使いながら改善を続ける前提の契約です。AIは公開して終わりではなく、実際の使われ方を見て回答の精度を調整していく工程が続きます。長期の機能追加や、社内の開発チームに参画する形もこの契約になります。

どの形が合うかは、作りきって終わりにできるか、使いながら育てる必要があるかで分かれます。判断がつかない段階でも構いません。当社では概算のお見積もりを無料でお出ししています。

費用の内訳|何にお金がかかるのか

AI開発の見積もりは、おおよそ5つの要素で構成されます。

要件定義

どの業務のどこにAIを使うかを決める工程です。ここが曖昧なまま進むと、後から作り直しが発生して結果的に費用が膨らみます。全体の1〜2割程度を占めます。

データの整備

AIに読ませる社内文書やマニュアル、過去の対応履歴を、使える形に整える作業です。AI開発で見落とされやすく、そして費用が読みにくいのがここです。整理された状態で保管されているか、紙やバラバラのファイルに散っているかで、工数が大きく変わります。

実装

AIを組み込む部分と、それを業務で使えるようにする周辺の開発です。管理画面や既存システムとの連携もここに含まれます。

精度の調整

作ったAIが業務で使える水準の回答を返すまで調整する工程です。通常のシステム開発にはない工程で、AI開発の費用が事前に読みにくい最大の理由になっています。

公開後の運用

使われ方を見ながら調整を続ける費用です。ラボ型契約の場合は、ここが中心になります。

AI開発の費用が読みにくい3つの理由

同じ規模でも見積もりが割れやすいのがAI開発です。理由は3つあります。

1. どこまでの精度を求めるかで工数が変わる

「だいたい合っていればよい」のか「間違いが許されない」のかで、調整にかける工数がまったく違います。人が最終確認する運用にすれば精度の要求を下げられ、費用も下がります。

2. 扱うデータの状態が見えないと見積もれない

社内文書が整理されていれば安く済み、散らばっていれば整備の工数が乗ります。見積もり前にデータの保管状況を共有できると、精度の高い金額が出せます。

3. 既存システムとの連携範囲で大きく動く

AIの部分そのものより、既存の業務システムからデータを取り出す仕組みのほうが工数を要することがあります。この見極めはWebシステム開発の領域と重なります。

費用を抑える3つの方法

対象を絞って小さく始める

全社で一斉に導入しようとすると、要件定義だけで数ヶ月を要します。問い合わせ件数が多く、回答パターンが比較的決まっている業務から着手すると、小規模の範囲で効果を確かめられます。

既存のクラウドサービスを使う

AIモデルを自前で用意する必要は、ほとんどありません。AWSのAmazon Bedrockのようなサービスを使えば、モデルの調達と運用にかかる費用を抑えられます。当社はAWSパートナーとして、この構成での開発を行っています。

人が確認する前提で設計する

AIの回答をそのまま顧客に返すのではなく、担当者が確認して送る運用にすると、求める精度を下げられます。精度調整の工数が減るぶん、費用も期間も圧縮できます。

見積もりを取るときに確認したいこと

複数社から見積もりを取る場合、次の4点が書かれているかを見てください。

職種別の体制と期間が示されているか。総額だけの見積もりでは、高いのか安いのかを判断できません。

データ整備の工数が含まれているか。ここが抜けたまま契約すると、着手後に追加費用として出てきます。

精度の目標が言語化されているか。「業務で使える水準」が何を指すのかは、着手前にすり合わせておく必要があります。

公開後の運用が別見積もりか。AIは公開時点が完成ではありません。運用の費用を含めた総額で比べてください。

ご相談から公開までの進め方

当社の場合、5つのステップで進めます。

Step 1 ご相談:いまの業務と困っていることをうかがいます。整理がついていない段階で構いません。

Step 2 効きそうな箇所を見極める:どこにAIを入れると効果が出るかをご提案します。実際に動くものを早い段階でお見せしています。

Step 3 設計・お見積もり:扱うデータの範囲を含めて方針を決め、根拠のある見積もりをお出しします。

Step 4 開発と精度の調整:つくりながら、業務で使える水準まで回答の精度を上げていきます。

Step 5 公開と改善:公開後の様子を見ながら調整します。開発したチームがそのまま担当します。

金額が確定するのは Step 3 です。機能を一覧に分解したうえで見積もるため、それ以前にお出しするのは概算になります。

まとめ

AI開発の費用は「人月単価 × 工数」で決まり、当社の場合は小規模で200〜500万円、中規模で500〜1,500万円、継続のラボ型で95〜120万円/人・月が目安です。

通常のシステム開発と違うのは、データの整備と精度の調整という2つの工程が乗ることです。この2つは事前に見えにくく、見積もりが会社によって割れる原因にもなっています。相見積もりを取るときは、総額ではなく体制・データ整備・精度目標・運用費用の4点が書かれているかで比べてください。

クライマーでは、AIの導入から業務システムへの組み込みまでを一貫して行っています。サービスの内容と費用レンジは生成AI導入・AI受託開発にまとめています。どこから手をつけるべきかが定まっていない段階でのご相談も承っていますので、お問い合わせよりご連絡ください。