システム開発の外注|費用の決まり方と進め方、発注前に決めること

システム開発の外注|費用の決まり方と進め方、発注前に決めること

エクセルの管理表が限界に近づいている。受発注や予約の処理が人手に頼りきりで、担当者が休むと業務が止まる。そうした状況からシステム開発の外注を考え始めると、最初にぶつかるのが「いくらかかるのか見当がつかない」という壁です。

金額の相場が分からなければ、社内で予算の相談もできません。開発を請け負う側の視点で、費用がどう決まるのか、相談から運用まで何が起きるのか、発注側は何を用意しておけばよいのかを整理します。

システム開発を外注するとは

業務をシステム化する方法は、大きく3つに分かれます。社内の担当者がつくる、既製のパッケージやSaaSを契約する、開発会社に依頼する。この3つ目が外注です。

社内でつくる方法は小回りが利きます。ただし、表計算ソフトのマクロで業務を回してきた会社が、作った本人の退職をきっかけに相談に来られるケースは珍しくありません。その担当者がいなくなると、誰も触れないシステムが残ります。

パッケージやSaaSは月額で使い始められ、導入も早い。ただし業務を製品の仕様に合わせることになります。業務フローが競争力になっている会社では、既製品に寄せた時点で強みが消えます。

外注は、必要な機能を必要な形でつくれる代わりに、初期費用がまとまった額になります。分かれ目は、その業務が自社固有かどうか。固有でなければ既製品が速く、固有ならつくったほうが長く使えます。用語の整理はWebシステム開発とはにまとめています。

システム開発の外注にかかる費用相場と決まり方

外注費用の基本は人月単価 × 必要な工数(人月)です。エンジニア1人が1ヶ月かかる作業量を1人月と数え、そこに単価を掛けます。

クライマーの場合、システム開発の人月単価は95万〜120万円です。幅があるのは、要件を整理するPM、設計するSE、実装するエンジニアで単価が違うためです。金額の差は「どんな人が何ヶ月関わるか」の差であって、値引きの余地の話ではありません。

目安として、実際にご提示している費用レンジを公開します。

規模費用の目安期間想定するシステム
小規模200〜500万円1〜3ヶ月管理画面、予約システム、LP+フォーム
中規模500〜1,500万円3〜6ヶ月業務システム、ECサイト、マッチングサイト
大規模1,500〜5,000万円以上6ヶ月〜1年以上基幹連携、複数システム統合、大規模EC
ラボ型95〜120万円/人・月継続長期運用、機能を足しながら育てる開発

最下段のラボ型は支払い方が違います。請負が「決めた成果物に総額を払う」のに対し、ラボ型は「一定期間チームが稼働することに月額を払う」形。要件が動く案件や、リリース後も改修を続ける場合に向きます。

同じような機能でも金額が上下する理由は、主に3つあります。

  • 既存システムとの連携(相手の仕様が不明だと解析の工数が乗る)
  • 扱うデータの重さ(個人情報や決済が絡むと設計もテストも厚くなる)
  • 画面と権限の種類(管理者・一般・取引先で出し分けるほど増える)

最初から全部つくらなければ、金額は抑えられます。使う頻度の低い機能は後回しにして、現場が毎日触る部分だけを先に動かす。この判断を一緒にできる会社かどうかで初期費用は変わります。AIを組み込む場合の費用感はAI開発の費用相場にまとめました。

外注の進め方と、各工程で発注側がすること

開発会社に任せれば自動的に進む工程は、ひとつもありません。発注側の出番を先に知っておくと、社内の段取りが組みやすくなります。

相談・ヒアリング

最初の打ち合わせでは、つくりたい画面ではなく困っている業務を話してください。「この帳票を自動で出したい」より「月末に3人がかりで2日使っている」のほうが、設計の判断材料になります。クライマーではこの段階から技術者が同席します。

要件整理と見積もり

機能の一覧をつくり、優先順位をつけ、技術の選定まで進めます。出てきた見積書は、工程ごとの内訳があるか確認してください。「一式」とだけ書かれていると、追加費用の話になったときに何が含まれていたのか検証できません。

契約

契約形態と支払い条件を決めます。支払いは分割が一般的で、着手時の手付金・中間金・最終金という3分割、中間金を2回に分けた4分割が使われます。守秘義務契約(NDA)を先に結ぶことも可能。

開発とレビュー

発注側が手を離せるのはこの期間だけ、と考えておくと安全です。それでも週次の進捗確認には出て、動く画面を早いうちに触ってください。文書だけで合意した仕様は、実物を見た瞬間にずれが見つかります。

テスト・検収

開発会社の社内テストとは別に、発注側の受入テストがあります。ここは代行できません。実際の業務に近いデータで現場の担当者が触る工程です。必要な人員と期間を社内で先に確保してください。

運用・保守

稼働してからが本番です。使い始めれば改善要望が出ますし、法改正や取引先の都合で修正も発生します。保守が別契約か、誰が担当するのかは契約前に確認する項目です。クライマーでは開発したチームがそのまま保守を担当し、窓口が最後まで変わりません。

外注で失敗しないために、依頼前に決めておくこと

外注の失敗として語られるものの多くは、技術ではなく準備の問題です。「専門的なことは分からないので全部お任せします」がいちばん危ない。業務の中身を知らない相手に判断を丸ごと預ければ、開発会社は想像で埋めるしかありません。

依頼前に、次の4つを社内で決めておくと精度が上がります。

  • 目的と範囲:何がどうなれば成功なのか。今回やらないことも書き出す
  • 社内の担当者:質問に答え、社内調整をし、優先順位を決める人を1人立てる
  • 既存の資料:現行システムの仕様書、画面のキャプチャ、使っている帳票
  • 判断の基準:予算の上限、いつまでに動かしたいか、削れない機能はどれか

特に効くのが担当者を決めることです。窓口が複数あって要望が揃っていないと、開発側は毎回どちらに従うか確認することになります。

既存システムがある場合は、資料の棚卸しも早めに。他社が構築したシステムの改修や引き継ぎには対応できますが、解析のために仕様書かサーバーのログイン情報が必要です。仕様書が残っていないと、中身を読み解くところから始まるため日数がかかります。

契約形態で変わること

システム開発の契約は、主に請負契約と準委任契約の2種類です。何にお金を払うのかが根本的に違います。

観点請負契約準委任契約
報酬の対象仕事の完成(成果物の納品)業務の遂行(稼働時間)
完成義務ありなし
負う責任契約不適合責任善管注意義務
向くケース要件が確定している、ゴールが明確要件が変動する、中長期で継続開発する

請負契約で登場する契約不適合責任は、納品物が契約の内容に合っていなかった場合の取り決めです。発注者は、修補などの追完請求、代金の減額請求、損害賠償請求、契約の解除を求めることができます。2020年4月1日に施行された改正民法によるもので、それ以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていたものです。古い契約書のひな形を使っている場合は、用語を確かめておくと安心です。

どちらが有利という話ではなく、案件の性質で選びます。要件が固まっている業務システムなら請負、つくりながら判断したい新規事業なら準委任。クライマーは請負開発とラボ型開発の両方に対応しているため、途中で切り替える相談もできます。なお、ここに書いたのは一般的な整理です。個別の契約条項は専門家にご確認ください。

外注先をどう選ぶか

費用と進め方が見えたら、次は会社選びです。比較で見るべき観点と、相見積もりで何を質問すれば差が見えるのかはシステム開発会社の選び方にまとめました。複数社に声をかける前に読んでおくと、同じ前提で金額を並べられます。

クライマーに外注する場合

クライマーは2013年設立で13年目、累計1,000件以上のプロジェクトに携わってきました。PHP/Laravelを主軸に、業務システム、EC、レガシー環境の刷新、AWSの構築・運用までを一貫して担当します。ISMS(ISO/IEC 27001)認証とAWSセレクトティアサービスパートナーの認定も取得済みです。

受託だけの会社ではない点が特徴です。レンタル・サブスク向けECパッケージ「EC Rent」を自社で開発・運営しています。つくるだけでなく使われ方まで見てきたため、その機能を先につくるべきかどうかの優先順位を提案できます。

実績の例では、個人のPCとマクロに依存していた大手日用品メーカーの需要予測システムをクラウドへ移しました。紙で運用していた大学の機器予約を独自の認証基盤とつなぎ、オンライン化した例もあります。業務用家具メーカーのECは、構築と継続的な改修を経て売上が2年で約10倍になりました。

打ち合わせはオンラインで全国に対応します(対面でのやりとりは福岡限定です)。見積もりと提案は契約に至るまで無料、支払いは分割も可能。費用や納期のご質問はよくある質問にまとめています。

まとめ

システム開発の外注で押さえることは多くありません。費用は人月単価と工数で決まり、規模の目安があれば見積もりの妥当性を判断できます。依頼前に目的・担当者・既存資料・判断基準を決めておけば、丸投げを避けられます。

要件が固まっていない段階でも問題ありません。むしろ何をつくるか決める前のほうが、優先順位から一緒に考えられます。対応領域や開発の流れはWebシステム開発のサービスページにまとめています。

現状の業務を30分ほど伺えば、規模の見当と進め方をお伝えできます。概算のお見積もりは無料です。お問い合わせからお気軽にご連絡ください。